世界は今、「post-truth(ポスト・トゥルース)の時代」であるといわれます。「ポスト・トゥルース」とは、オックスフォード英和辞典によれば「世論形成において客観的事実よりも、感情や個人の信条への訴えかけのほうが、より大きな影響を与える」状況のことです。つまり、「ポスト・トゥルースの時代」とは、「事実に基づかない嘘が世論を支配する時代」です。

 人間は誰しも自分にとって不都合な真実からは目を逸らし、自分に都合の良い物事だけを見て、それが真実であると信じたいものです。ですから、世論形成をはかる為政者などは、人々に受け入れられやすく自分にとって都合の良い嘘を、それが嘘だと承知していたとしても利用するのです。

 しかし、人々がいくら真実から目を逸らし、自分の見たいものしか見ず、信じたいものしか信じなかったとしても、そして、人々のそのような心理を利用し嘘を喧伝する者の影響力が如何に大きかったとしても、嘘は所詮は嘘です。嘘はいつかは破綻し、人々は嘘に踊らされることによって背負った負債を支払わされるのです。事実に基づかない嘘が世論を支配した国家や社会は、いずれ衰退し滅びます。これは古代ギリシャの時代からの長い歴史が証明する真実でしょう。

 極めて微力であるとはいえ、仮にも広報PRや広告を通じた世論形成を主たる業務とし、WEBメディアの運営や収益化支援にも携わる弊社には、この国がそのような道を歩まないために、ポスト・トゥルースという時代の流れに立ち向かう責任があると考えます。少なくとも常に真実を志向する態度は失いたくありません。そこで私は弊社を創業するにあたり、「真理(真実)は勝つ」という意味のラテン語の古い格言であるVeritas Vincit (ヴェリタス・ヴィンキット)という言葉を社名といたしました。

 嘘が蔓延する世論をめぐる戦いにおいて、または熾烈な企業の生存競争において、弊社はヴェリタス・ヴィンキットという社名を信条として、勝ち抜いていきたいと考えております。

 創業まもない弊社ではございますが、お引き立てを賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

  

株式会社ヴェリタス・ヴィンキット

代表取締役 井上一樹