弊社の社名であるヴェリタス・ヴィンキットとは、「真理(真実)は勝つ」という意味のラテン語の古い格言です。
2010年代、SNSの普及によって世界は「post-truth(ポスト・トゥルース)の時代」に入ったといわれましたが、生成AIの普及などにより2020年代もその傾向は一層強まっています。「ポスト・トゥルース」とは、オックスフォード英和辞典によれば「世論形成において客観的事実よりも、感情や個人の信条への訴えかけのほうが、より大きな影響を与える」状況のことであり、つまり現代の我々は「事実に基づかない嘘が世論を支配する時代」に生きているのです。
人間は誰しも自分にとって不都合な真実からは目を逸らし、自分に都合の良い物事だけを見て、それが真実であると信じたいものです。人は見てから考えるのではなく、考えてから見る生き物なのかもしれません。ですから、たとえ客観性が疑わしくとも自分にとって都合の良い情報に接した時に、人々がそれを真実だと信じてしまったとしてもある意味では仕方ないのかもしれません。
しかし、人々がいくら真実から目を逸らし、自分の見たいものしか見ず、信じたいものしか信じなかったとしても、嘘は所詮は嘘です。嘘はいつか破綻し、人々は嘘に踊らされることによって背負った負債を支払わされるのです。事実に基づかない嘘が世論を支配した国家や社会は、いずれ衰退し滅びます。これは古代ギリシャの時代からの長い歴史が証明する真実だと言えるのではないでしょうか。
極めて微力であるとはいえ、仮にも広報PRを通じた世論形成を主たる業務とする弊社には、この国がそのような道を歩まないために、ポスト・トゥルースという時代の流れに立ち向かう責任があると考えます。少なくとも常に真実を志向する態度は失いたくありません。そこで私は、2020年に弊社を創業するにあたりヴェリタス・ヴィンキットと名付けました。
嘘が蔓延する世論をめぐる戦いにおいて、または熾烈な企業の生存競争において、弊社はヴェリタス・ヴィンキットという社名を信条として、勝ち抜いていきたいと考えております。
創業まもない弊社ではございますが、皆様のお引き立てを賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
株式会社ヴェリタス・ヴィンキット
代表取締役 井上一樹